メリットとデメリットを使うことで、「受け取り方」を変えていくことができます。
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本人にとって、それがメリットになるのかどうかは、人それぞれ違います。
それは受け取り方の違いだからです。
だから、やる気が出ないのは個人の内面的な問題になると考え
るのは普通の発想です。

実際に、人の行動を捉えるときには、個人側からとらえるのか、それとも、環境
側から捉えるのか、二通りの捉え方があると思います。

ですから、「やる気が出ない理由」を「受け取り方」の問題として捉えることは間違
いではありません。

しかし、個人に「やる気」の原因を求めても、
どうすることもできずに疲れるだけです。
自分や他人を陥れることにもなりかねません。

そこで、その個人の「受け取り方」を変えるためにはどうすればいいのか。
個人の問題だから、個人の意思に頼るしかないのか?

いえいえ、神経をすり減らすだけです。

環境側から人を捉えることで、受け取り方を変えていくことができます。
メリットとデメリットを使うことで、「受け取り方」を変えていくことができます。

もう少しいいますと、

状況の受け取り方はメリットを得る『可能性』(確率の高さ)によって変えていくこ
とができます。

プロテストを3回も落ちたK君が、もう駄目だととるか、まだ頑張れるととるかは、
可能性、つまり、確率の問題で捉えることができます。

頑張ってきたのは2回目も3回目も同じ。次頑張っても同じ結果しかえられない。
そうなると「やる気」は出ないでしょう。

しかし、そこに何らかの可能性(確率を上げること)を見出すことができれば違って
きます。

たとえば、まだやり残したことがある、2回目、3回目はまだ本気じゃなかった。
そのような可能性がある場合、「やる気」は出てくるものです。

プロテストに合格する確率によって、気持ち、あるいは、その状況の受け止め方は変
わってきます。

個人に原因を求めるのか、環境側に原因を求めるのかは、人と環境との関わりですから、
どちらからでも捉えることができるのは、当然と言えば当然です。

環境から人を捉えるという意味で、

持続できない理由は「メリットがないため」あるいは、「メリットを得る確率が低い
ため」だと結論付けさせてもらいます。


何か新しいことを始めるときに自分に行動を起こさせるものは何か?

新しいことを始めるにあたっては、始めてしまえば、そこから生じる見返りによって、
持続できるかできないかが決まってきます。

始めたいけど、始める気になれない、という場合は、現在の自分の環境を疑ってくだ
さい。

その行動を起こすよりもっとほかにメリットのある行動があるのではないか。その行
動を起こすこと自体にさほどメリットがないのではないか。

性格の問題を絡める必要はございません。
環境側のメリットあるいはデメリットを見るだけです。

この行動分析を勉強し始めると、今まで捉えていた人間の見方、つまり、性格や心の
問題とをごちゃ混ぜにしてしまい、こんがらがってきます。

でも、行動分析の理論で人を捉えることができるようになると、最低でも自分や他人
の行動に納得できるようになります。

まとめ

「状況の受け取り方はメリットを得る『可能性』(確率の高さ)によって変えていく
ことができます。」

始めたいけど、始める気になれない、それは、

「その行動を起こすよりもっとほかにメリットのある行動があるのではないか。その
行動を起こすこと自体にさほどメリットがないのではないか。」

そこを疑ってください。