動機を理由に人を見てはならない。
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日本史上、類を見ないテロ事件が起きました。

地下鉄サリン事件です。

その首謀者である松本千津夫被告の
論告求刑が行われ、
検察側より死刑が求刑されました。

当然といえば当然です。

問題はそこからです。

その犯行の動機は
「権勢欲と支配欲」
だというのです。


厳正かつ慎重に扱われるべき
裁判の席でも、心といった
得体の知れないもので
人の行動を理解しようとしています。

残念なことです。

人の行動を動機といった
曖昧なもので捉えても、
何の解決にもならないことに
気付いてもらいたい。


同じ権勢欲や支配欲を持った人が、
松本千津夫被告のように
テロを行うとは限りません。

立派と政治家になり
内閣総理大臣にまで
成り上がるかもしれません。


同じ欲求を持ったとしても
その人の生きる環境によって
起こされる行動は変わってきます。

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社会では、
何かとその人の動機に注目します。

なぜ犯行に及んだのか。
どうしてそのようなことができたのか。

動機を耳にして
納得したつもりになっています。


虐待により命を奪われた子供がいます。

その虐待を行った親の動機は
「言うことを聞かなかったから」です。

それで周りは納得したのでしょうか?

それで納得していいのでしょうか?

「言うことを聞かない」「腹が立つ」
同じ気持ちの親はいくらでもいるでしょう。

虐待を行ったその人物は
特別だからとでも言うのでしょうか。

動機を見ても何の解決にもなりません。


動機が本当に人に犯行を起こさせるのなら、
同じ気持ちを持った人はどうなるのでしょうか。

「遊ぶお金が欲しかった」
「消費者金融から300万の借金があった」
「腹が立った」「むかついた」「生意気だった」

どれもこれも、
その人の気持ちを述べているだけ。

同じ気持ちを持った人は
いくらでもいます。

消費者金融で借金がある人など
膨大な人数です。

200万円や300万円の
借金どころではない人もたくさんいます。

しかし、全員が同じ行動を
起こすわけではありません。

内面的なものが
人の行動の理由にならないのは
そのためです。


動機といったもので
人を捉え理解しているうちは、
犯罪はおろか、社会の多くの問題は
一向に解決されません。

同じことがいつまでも
繰り返されることになります。

まして、そこで用いられた動機は、
人として持ってはいけないような
気持ちにさせます。


権勢欲や支配欲が
テロの動機として認知されれば、
権勢欲や支配欲を持つことが
悪いことのような
錯覚を起こしかねません。

「腹が立ったから」
「子供が言うことを聞かなかったから」
それで納得してしまえば、
子供に対して
腹を立ててはいけないものだと
感じるようになります。

「お金が欲しい」という思いが
犯罪の動機として捉えられれば、
お金が欲しいという欲求が
悪いことのように思えてしまう。


動機は誰にでもある感情。

実際に行動に移すかどうかは、
別問題です。

同じ気持ちを持っても、
その人が環境から受ける見返り、
つまり、メリット・デメリットによって
行動は変わってきます。

環境の違いが人の行動の違いを生みます。

環境を見なければ話になりません。

行動を起こした環境を捉えて、
その環境を作らないように
努めていかなければなりません。


動機で人を捉えているうちは、
犯罪はなくなりません。

動機で人を見ているうちは、
同じことが繰り返されます。

動機は誰にでもある感情。
犯罪が起こされるかどうかは
環境しだいである。

  
まとめ

動機は誰にでもある感情。

実際に行動に移すかどうかは、
別問題です。

同じ気持ちを持っても、
その人が環境から受ける見返り、
つまり、メリット・デメリットによって
行動は変わってきます。

環境の違いが人の行動の違いを生みます。


動機で人を見ているうちは、
同じことが繰り返されます。