人間の恒常性について
人間は変われない生き物のように思います。しかし繰り返し繰り返し同じことを思い続けるとか、念じ続けると、脳に新しい回路ができます。そうすることで新しい習慣を定着させステップアップすることが出来ます。人があきらめて踵を返す壁を乗り越えたものだけが新しい道を進む権利を手にします。

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人は環境によって変わるということを
今まで述べてきましたが、
人はなかなか変わらないのも事実です。

人はなかなか変わらない、
その理由は何だと思いますか?

人間には性格や人格といった根幹があるため、
人はなかなか変わらないのでしょうか。

いえいえ違いますよ。
メンタリストが考えそうなことです。


幼きころより培われた行動パターンや
思考パターン、価値観など、
人を作っている要素は、
環境からの見返りにより維持されています。

その環境からの見返りを
今も受けているから
人は変わらないのです。

しっかりとメリット・デメリットで
今の自分は維持されているのです。

しかし、昔から今まで同じ環境で
生きているわけではありません。

歳を取るにつれ
環境は変わってきたはずです。

今も昔も同じ環境に生きているなら
同じメリットを受けている以上、
今の自分と昔の自分が
同じであることに納得できます。

しかし実際には幼稚園から小学校、
中学校、高校、大学、社会人と、
人は様々な環境の変化を経験します。

それなのに性格や人格といわれるものは
さほど変わった様子はありません。
これはなぜでしょうか。

しつこいですが、間違っても性格や人格が
人の根幹を成すものだからではありませんよ。
そんなメンタリズムは必要ありません。


人が変わらないのは、
我々が環境を選ぶ力を持っているためです。

もっと言えば、今の時代の人は
自分にあった環境を自由に見つけることができる、
または選ぶことができるためです。


人は自分が学習してきた
行動パターンや思考パターン、
価値観を駆使して環境と関わっています。

そして、その環境から見返りを受けることで
その行動は維持されていきます。

しかし、今まで学習してきた行動が
新しい環境から見返りを受けられないとき、
人はどうするか。

自分とは合わないと感じる環境に出くわした時、
人はどうするか。

自分自身でその環境に合った
新たな行動パターン、思考パターン、
価値観を作り変えるのだろうか。

ほとんどの人はそんなことはしません。
その環境から離れ
自分に合った環境を探すはずです。

自分を変えるより、
環境を変えるほうが楽だからです。

楽というのはその人にとってメリットです。
この行動、つまり自分を変えるよりも
環境を変える行動は維持されます。
だから、人はなかなか変わらないのです。
自分を変えるよりも、まず環境を変えてしまうのです。


大学生活が始まり、
新たに友達を作る時、
気の合わない友達と無理して
付き合うようなことはしません。

大学で始めて知り合ったからといって、
気の合わない友達と自分を変えてまで
仲良くしていこうとはしません。

その友達とは次第に距離を置き
疎遠になっていくはずです。
気の合う友達を探して、
その友達を仲良くやっていくはずです。
そうやって、自分にあった環境を求めていきます。


幼い頃に酷い親から酷い育て方をされ、
自尊心や、対人関係に問題を抱えた人がいます。

その人は、歳をとるにつれ、
周りと上手く付き合えないようになります。
普通の人たちとどのように接すればいいのか
分からないのです。
そのような行動パターンを
学んでこなかったのです。

逆に、自分に対して卑怯でずるい人間とは
上手くいくのです。
自分が学んできた行動パターンが、
ずるくて自分を搾取しようとする人には
上手くマッチするからです。

その人は必然的に
卑怯でずるい人ばかり選んでしまいます。

人はなかなか変わることができません。
一度身に付いた行動パターンで生きようとします。
それがその人にしっくりくるからです。
メリットです。

仕事が合わないといって、
いつまでも職を転々としている人がいます。
その人を見て多くの人はなんと言うでしょうか。
根無し草? 根性なし? 社会不適応者? 

好き勝手なことを言ってくれるものです。
そんなことを言っても単なる罵倒でしかありません。

その人が職を転々とするのは、
しっかりとした理由があります。

自分が今まで学習してきた
行動パターンや価値観が
現実社会と不協和にあるからです。

その不協和の対処の仕方において、
その人は環境を変えることを選んでいるのです。
自分にあった環境を探しているのです。


もし自分に合う環境がなければ、
自分が変わるしかない。

しかし、今の社会はそこまでその人を導く前に
その人を見捨ててしまう。
社会不適応者として扱ってしまう。

人が変われるのは環境の力でしかないものを
簡単に見捨ててしまうものです。
引きこもりが流行るわけです。

その人が変われないのは社会の捉え方にも問題があります。


まとめ

人が変わらないのは、
我々が環境を選ぶ力を持っているためです。

今の時代の人は
自分にあった環境を
自由に見つけることができる、
または選ぶことができるためです。

自分を変えるより、
からの引用です。