「人には頑張れないときがある」
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人の行動の見方を誤ると、時に自分や他人を陥れることにもなりかねないので要注意!

「やる気はあるのか!」「 努力が足りない!」「忍耐力が足りない!」「根性を出
せ!」どれもよく聞く言葉です。やる気、努力、忍耐力、根性、どれも人の心の中にあ
りそうなものですが、実際にはありません。
いくら、この言葉を用いても、自分に言い聞かせても、できないときはできないもので
す。無理なものは無理なのです。
それはなぜかというと・・・・。
人を動かしているものは、本人の意思の力ではなく、環境からの見返りだからです!
それを知らずして多くの人がその無理難題な要求に苦しめられてきています。心を題材
にした今の考え方は、人を非難、叱責することは出来ても、その人を動かす力にはなら
ないものです。

K君は高校1年生からボクシングを始め、高校を卒業してからも、ボクシングのプロテ
スト合格を目指して日々練習に励んでいました。
そして念願の1回目のプロテスト・・・、不合格。しかし、ほとんどは1回目のプロテ
ストは落ちるものだといって2回目に向けて頑張りはじめます。
しかし、2回目のプロテストも不合格。それでも諦めきれずに3回目を受けることにし
ました。
今回で3回目のプロテストである。3度目の正直。今度こそはと意気込んでいます。毎
日ロードワークを欠かせず、ジムでもスパーリングをこなし、万全というほどに仕上が
りました。
そして、プロテスト本番・・・。結果は不合格。「フック系のパンチばかりになってし
まった。もう少しストレート系のパンチを使って手数を出していれば合格できていたの
に」そう言って悔やむのです。
それから、そのK君はジムには顔を出さなくなりました。周りからは「もう一回がんば
れ!」と言われます。本人もやりたい気持ちはどこかにあります。しかし、体がついて
きません。それは体力的な問題ではありません。やろうにも、体が拒んでいるのです。
今までの考え方だと、K君はやる気がない、根性なしだとみなされます。あともう一息
で合格できるのに、みすみすそれを逃しているのだから、情けない奴だとみなされるか
もしれません。本人も自分の不甲斐無さに嫌気がさしています。
しかし、K君は根性がないわけでも、情けない奴でもありません。人の行動を捉えよう
のないもので理解しようとすれば、自分はおろか他人も苦しめるだけです。
ここでのこのK君がやる気が出ないのは、人間として、動物として当然なのです。

人は、環境側からしっかりとした見返りがないにもかかわらず、行動を持続させること
はできません。そんなことができる人がいれば、自然の摂理に反することになります。
メリットがあるとき、人は行動を起こし、その行動を持続させていくことができます。
メリットがないとき、もしくは、デメリットがあるとき、人は行動を持続させていくこ
とができなくなります。(前回の復習です)

K君は環境側からの見返りがないために行動を持続しなくなっただけです。いくら頑張
っても結果が得られないからです。意志が弱いからだとか、根性がないからだとか、そ
んな次元で人を見ても話になりません。
仮に、環境側から見返りなど関係なく、根性論で人がどうにでもなると考えるなら誰も
が東大に合格できることになります。意思の力だけで自分をコントロールできるなら誰
もがオリンピック選手になれることになります。
東大に合格できるほどの勉強量を環境側からの見返りを受けずに誰が意思の力だけでや
ってのけるのでしょうか。それだけの勉強量をこなすには、理解できる、面白いといっ
た見返りがあって初めてできることです。難しくて理解できない勉強でも根性で乗り切
れば東大の赤門が見えてくる?
ありえません。
我々が人間について知っておきたいことは、どんなに意志が強かろうが、根性があろう
が、環境側からの見返りがなければ、何をどう振り絞ろうが、行動を持続させることは
できないということです。行動を持続させるにはメリットが必要です。
これを逆手に取ると、しっかりとした見返りがあれば人は行動を持続させることができ
るということになります。
まず、我々がすべきこと。それは環境を整えることです。
「継続は力なり」その鍵を握っているのは・・・・
もちろん、環境です。
     
まとめ
我々が人間について知っておきたいことは、どんなに意志が強かろうが、根性があろう
が、環境側からの見返りがなければ、何をどう振り絞ろうが、行動を持続させることは
できないということです。








14年前の「発行管理者:かずひさ」氏のメルマガ「やる気が出ない本当の理由」
からの引用です。