自己管理ができない本当の理由

「自己管理ができない本当の理由」
CIMG2627

人には他の動物と違って思考能力があります。その思考がルールを作り、人の行動を導
くことがあります。
今日やらなければならないことや、期日までに仕上げなければならないこと、約束や決
まりごとなど、思考をもって自分を導かなければならないことが数多くあります。
あるときは自分の目標のために。あるときは自己管理のために。

こんな経験はありませんか?
期末テストのために、計画を立てて勉強を始めようと決める。しかし、計画通りに進ま
ない。必ずといっていいほど、次の日、次の日と予定が先送りされる。「まだ大丈夫
だ、まだ大丈夫だ」そう自分に言って遊び呆けていたことが・・・。
そして、テストが一週間前に迫ると、もっと早くに始めていればと後悔する。それが常
でした。(;^_^A アセアセ・・・ 

女性の方なら・・・。
ダイエットを始めようと「今日からは間食をしない!」と決めます。しかし、母親が買
ってきたイチゴショートを目の前にすると・・・、「明日からでも大丈夫!」と居直っ
てしまうものです。そんなことが日々繰り返され、結局はダイエットに成功したためし
がない・・・。

我々は日々生活していく中で、決められたことはきちんとこなし、やり遂げていかなけ
ればなりません。しかし、時に、それが自分ではどうすることも出来ないことがありま
す。
朝起きられない。仕事をさぼってしまう。時間を守れない。期日までに仕上げることが
出来ない。予定を先延ばししてしまう。約束をきちんと守れない、などなど。
そんな自分に嫌気がさす経験は誰もがしてきたはずです。そんな自分を甘ったれた人
間、杜撰な人間、情けない人間だと戒めてきたはずです。
しかしです。
人には従いやすいルールと、従いにくいルールがあります。自己管理をするにあたっ
て、従いにくいルールで自分をコントロールしようとしていませんか?
従いやすいルールとは、

「一回の行動によって得られる見返りが十分な大きさで確実であること。メリットが大
きく確実であれば、そのルールは従いやすい。」

例えば、テストの範囲が分かっており勉強をすれば確実に良い点数が取れ、単位が取れ
る。やりさえすれば確実に成果が得られる。となると、人は勉強をする、といったもの
です。
懸賞応募でも「もれなく当たる」となれば、応募したくなりますよね!
エイズ予防にコンドームを!と呼びかけたところで、国内における感染率はそれほど高
くありません。しかし、それが感染率50%と公表されれば誰もがコンドームをするよ
うになるでしょう。
逆に、従いにくいルールとは、

「一回の行動によって得られる見返りが小さすぎたり、確率が低すぎたりするルールで
ある。」

エイズ予防で、一回のセックスで相手がキャリアである確率は非常に低い。感染するリ
スクは何万分の一以下、確立が低すぎるのです。

ダイエットにおいても、イチゴショートを一口食べただけで、体重がみるみる増えるわ
けではありません。
その一口は、「ほんの少し見えないぐらいの脂肪を付け、体重計でも量れないぐらいの
体重が増える」といった、ルールに過ぎないのです。
それではデメリットにはなりません。
それに、自分の好きなものを食べるという行為は、美味しいといった瞬時のメリットを
与えてくれます。
メリットのある行動は維持されやすい。
目の前のイチゴショートを食べてしまうのはそのためです。しかし、それを繰り返せば
体重増加は確実です。

タバコにおいても、いろんな害が叫ばれているにもかかわらず、なかなか喫煙者は減り
ません。今でこそ、やっと喫煙率が30%台まで下がりましたが。
やめよう、やめようと何度思ったことか。しかし、お酒の席や、待ち合わせの暇な時
に、ついつい手が出てしまう。それが幾度となく繰り返されている。
それも同じで、一回の行動における見返りが少なく、確率も低いからです。
タバコを一本吸わなかったからといって誰かに褒められるわけではありません。吸わな
いことで健康的になり体が優れ、意気揚々としてくるわけではありません。一回吸った
だけで癌に侵されるわけでもありません。吸い続けたとしても必ず癌に侵されるわけで
もないのです。
そんなことでは、タバコを吸うといったメリットのある行動を統制するのは難しいでし
ょう。
仮にその一本で確実にガンに侵される!と宣告されるとどうでしょう。喫煙率は限りな
く0に近づくはずです。

教育訓練給付制度を利用して英会話をはじめても、すぐに続かなくったことはないです
か?
その原因は、一回や二回通ったぐらいでは、何の効果も得られないからです。
少しでも話せるようになり、外人さんの言っていることが分かり始めて、そこに楽しさ
が生まれてやっと持続できるようになります。
何も話せない、何も聞き取れない、ストレスだけがたまる。そうなると「もういい。め
んどくさい」となってしまうものです。

ちりも積もれば山となることは分かっています。
自分の今の行動が後々の自分にどのように影響するかは分かっています。
しかし、どれほどちりを積もらせると山となるかが分かっていないために、人は失敗し
てしまうのです。

しっかりと周りの環境を吟味すれば、自分がなぜ出来ないのか、なぜ頑張れないのかが
見えてきます。
そこには、しっかりとした見返りが存在しない。結果は大きくてもその一つ一つの行動
における見返りが小さい、または確率が低すぎるのです。

世間は、やる気の問題だというかもしれません。やる気さえあれば何でも続けていけ
る、何でもやってのけていけるというかもしれません。
しかし、そんな根性論では人は動かないことは経験済みのはず。
人は意思の力で自分をコントロールしていると一般に考えられています。自分の思った
ように人は行動できるものだと思い込んでいるものです。
だから、何度言っても分からない人を見捨てたりします。
思い通りいかない自分を嫌になったりします。
人とは考えれば分かること、自分に言い聞かせれば出来るものだと思っているためでし
ょう。
困ったものです。
人はそんなにできた動物ではありません。思考とはルールであって、自分を自由自在に
操れる力ではありません。そんなものがあれば、人は誰もが夢を叶えています。
人に思考能力があるからといって、それは自分達を自分の思い通りに出来るということ
ではありません。
頭では分かっていても、行動に移せないのは環境の力を見逃しているためです。
思い通りにならないときは、環境を見てください。足りないものがそこにあるはずです。

まとめ
従いやすいルールとは、一回の行動によって得られる見返りが十分な大きさで確実であ
ること。メリットが大きく確実であれば、そのルールは従いやすい。
従いにくいルールとは、一回の行動によって得られる見返りが小さすぎたり、確率が低
すぎたりするルールである。
ちりも積もれば山となることは分かっています。自分の今の行動が後々の自分にどのよ
うに影響するかは分かっています。しかし、どれほどちりを積もらせると山となるかが
分かっていないために、人は失敗してしまうのです。
頭では分かっていても、行動に移せないのは環境の力を見逃しているためです。






14年前の「発行管理者:かずひさ」氏のメルマガ「やる気が出ない本当の理由」
からの引用です。

人は自分をコントロールできない

「人は自分をコントロールできない」
CIMG2626

自分の思ったように行動できる人はいると思いますか?
自分の思ったように行動できていると思い込んでいる人はいます。しかし、実際に思い
通りに自分をコントロールすることはできません。それが人間です。
人の行動が環境側の見返りで成り立つのは先に述べました。環境側からの見返りを基に
作られた行動パターンが今の自分を動かしています。

考えてみれば、毎日、あなたは同じ行動を繰り返しているだけではないですか?
環境が同じならば、行動も同じになるはずです。それは環境からの見返りが同じだから
です。環境側からその行動に見返りが伴っているために、その行動は持続しているので
す。
たとえば、家に帰ると、まず、台所へ行き冷蔵庫を開ける人がいます。何も考えてなく
ても勝手に冷蔵庫を開けているものです。のどがかわいたわけでもない。お腹がすいて
いるわけでもない。しかし、帰ってくると真っ先に冷蔵庫を開けるのです。これはなぜ
でしょうか。
それは、そこにメリットがあるからです。冷蔵庫を開けるとメリットが得られる。家に
帰り、台所へ行き、冷蔵庫を開けると、そこには空腹やのどの渇きを満たしてくれるジ
ュース、お茶、ケーキ、何なりとそろっている。そのメリットを得てきた「経験」が、
その行動を持続させているのです。

自分が起こした行動の後にメリットがあれば、その行動は持続されることになります。
メリットがなければその行動は持続されなくなります。これを学習といいます。
我々が自分で自分をコントロールできていると思っている行動は、環境側からメリット
があるおかげで成り立っているものです。

人はメリットがあると、行動を持続させていくことができます。これは、メリットのあ
る行動は嫌でも持続するということです。
つまり、メリットがあれば、人はその行動を意思の力でやめることはできません。とい
うより、意思の力なんて考える必要はありません。
冷蔵庫をあけるのもその一つですが、もっと典型的に見られるのが、酒に、タバコにギ
ャンブル、薬物といったものです。
多くの人はやめるにやめられない思いを幾度となくしてきたことでしょう。やめたいと
思いつつもやめられない。やめなければいけないと知っていても、ついつい手が出てし
まう。分かっちゃいるけどやめられないというものです。
その原因を、一般的には誘惑に負ける精神的弱さ、自分をコントロールできない意志の
弱さ、何かにつけてその問題を個人の内面に見出そうとします。
世間は、やめるにやめられない人、できるものもできない人を自業自得のお粗末な人と
見ることがあります。「自覚しろ」とか「反省しろ」とか言っていませんか?
しかし、人とはそんなものじゃありません。意思の力なんてものは単なる思い込みで
す。環境の見返りがなければ意思の力なんてものは何の役にも立ちません。

メリットがないことを意思の力でやり抜こうとしても疲れるだけです。逆に、メリット
のあるものを意思の力でやめようとしても、これまた疲れるだけです。
意思の力と呼ばれるものは、所詮は環境の見返りなしにはありえないのです。それを無
視して、できない人を「意志が弱い」と呼んでいるに過ぎなません。
人は自分の行動をコントロールすることはできません。コントロールできると思い込ん
でいますが、その行動は環境側からの見返りがある場合だけであって、実際はコントロ
ール「されている」のです。
まとめ
自分が起こした行動の後にメリットがあれば、その行動は持続されることになります。
メリットがなければその行動は持続されなくなります。これを学習といいます。
我々が自分で自分をコントロールできていると思っている行動は、環境側からメリット
があるおかげで成り立っているものです。
人は自分の行動をコントロールすることはできません。コントロールできると思い込ん
でいますが、その行動は環境側からの見返りがある場合だけであって、実際はコントロ
ールされているのです。






14年前の「発行管理者:かずひさ」氏のメルマガ「やる気が出ない本当の理由」
からの引用です。

人には頑張れないときがある

 「人には頑張れないときがある」
CIMG2625

人の行動の見方を誤ると、時に自分や他人を陥れることにもなりかねないので要注意!

「やる気はあるのか!」「 努力が足りない!」「忍耐力が足りない!」「根性を出
せ!」どれもよく聞く言葉です。やる気、努力、忍耐力、根性、どれも人の心の中にあ
りそうなものですが、実際にはありません。
いくら、この言葉を用いても、自分に言い聞かせても、できないときはできないもので
す。無理なものは無理なのです。
それはなぜかというと・・・・。
人を動かしているものは、本人の意思の力ではなく、環境からの見返りだからです!
それを知らずして多くの人がその無理難題な要求に苦しめられてきています。心を題材
にした今の考え方は、人を非難、叱責することは出来ても、その人を動かす力にはなら
ないものです。

K君は高校1年生からボクシングを始め、高校を卒業してからも、ボクシングのプロテ
スト合格を目指して日々練習に励んでいました。
そして念願の1回目のプロテスト・・・、不合格。しかし、ほとんどは1回目のプロテ
ストは落ちるものだといって2回目に向けて頑張りはじめます。
しかし、2回目のプロテストも不合格。それでも諦めきれずに3回目を受けることにし
ました。
今回で3回目のプロテストである。3度目の正直。今度こそはと意気込んでいます。毎
日ロードワークを欠かせず、ジムでもスパーリングをこなし、万全というほどに仕上が
りました。
そして、プロテスト本番・・・。結果は不合格。「フック系のパンチばかりになってし
まった。もう少しストレート系のパンチを使って手数を出していれば合格できていたの
に」そう言って悔やむのです。
それから、そのK君はジムには顔を出さなくなりました。周りからは「もう一回がんば
れ!」と言われます。本人もやりたい気持ちはどこかにあります。しかし、体がついて
きません。それは体力的な問題ではありません。やろうにも、体が拒んでいるのです。
今までの考え方だと、K君はやる気がない、根性なしだとみなされます。あともう一息
で合格できるのに、みすみすそれを逃しているのだから、情けない奴だとみなされるか
もしれません。本人も自分の不甲斐無さに嫌気がさしています。
しかし、K君は根性がないわけでも、情けない奴でもありません。人の行動を捉えよう
のないもので理解しようとすれば、自分はおろか他人も苦しめるだけです。
ここでのこのK君がやる気が出ないのは、人間として、動物として当然なのです。

人は、環境側からしっかりとした見返りがないにもかかわらず、行動を持続させること
はできません。そんなことができる人がいれば、自然の摂理に反することになります。
メリットがあるとき、人は行動を起こし、その行動を持続させていくことができます。
メリットがないとき、もしくは、デメリットがあるとき、人は行動を持続させていくこ
とができなくなります。(前回の復習です)

K君は環境側からの見返りがないために行動を持続しなくなっただけです。いくら頑張
っても結果が得られないからです。意志が弱いからだとか、根性がないからだとか、そ
んな次元で人を見ても話になりません。
仮に、環境側から見返りなど関係なく、根性論で人がどうにでもなると考えるなら誰も
が東大に合格できることになります。意思の力だけで自分をコントロールできるなら誰
もがオリンピック選手になれることになります。
東大に合格できるほどの勉強量を環境側からの見返りを受けずに誰が意思の力だけでや
ってのけるのでしょうか。それだけの勉強量をこなすには、理解できる、面白いといっ
た見返りがあって初めてできることです。難しくて理解できない勉強でも根性で乗り切
れば東大の赤門が見えてくる?
ありえません。
我々が人間について知っておきたいことは、どんなに意志が強かろうが、根性があろう
が、環境側からの見返りがなければ、何をどう振り絞ろうが、行動を持続させることは
できないということです。行動を持続させるにはメリットが必要です。
これを逆手に取ると、しっかりとした見返りがあれば人は行動を持続させることができ
るということになります。
まず、我々がすべきこと。それは環境を整えることです。
「継続は力なり」その鍵を握っているのは・・・・
もちろん、環境です。
     
まとめ
我々が人間について知っておきたいことは、どんなに意志が強かろうが、根性があろう
が、環境側からの見返りがなければ、何をどう振り絞ろうが、行動を持続させることは
できないということです。








14年前の「発行管理者:かずひさ」氏のメルマガ「やる気が出ない本当の理由」
からの引用です。

ギャラリー
  • 一心の願い。
  • 一心の願い。
  • 「やる気」を起こさせるには確率を上げる必要もあります。
  • メリットとデメリットを使うことで、「受け取り方」を変える。
  • 行動を起こしてメリットを得る。
  • タバコの止め方
  • どうやって行動先行型に変えるのか。
  • 重要な決断を迫られたときに知っておきたいこと
  • 今、我々に必要なもの