行動の原理・世間一般の間違い

「行動の原理・世間一般の間違い」
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自分の意志が弱いとか、根性が足りないとか考える必要はない。出来ない理由は環境にある。環境とは「遺伝的な要因」「過去の環境要因」「現在の環境要因」の3要因で人の行動は決まるということに集約される。心とか意識とかに原因を求めるのは非科学的で的外れである。世間一般は行動の原理に隠された真実に気づいていない。


健康のために朝早くに起きてジョギングをしようと決めたことはありませんか?
でも、次の日の朝、目覚ましを止めてからも布団にくるまっている自分がる・・・・。
特にこれからの季節は布団から出るのが辛くて、寒い中、ロードワークなんてなかなか
できないものです。
「明日からやればいい。今日も明日も変わらない」と言い訳しているものです。そのま
ま眠りにつき、あとで起きてから後悔するのです。「またやってしまった・・・」。
やろうと決めていたにもかかわらず、できない自分がいる。世間はこれを意志の弱さと
いうのだろうか。

嫌な事、忘れたい事をいつまでも引きずることはありませんか?
恋人と別れても、いつまでもその人のことを考えている人。「どうにかしてよりを戻せ
ないだろうか。また昔みたいに仲良く出来ないだろうか」、そんなことを考えてしまう
のは、女々しい性格がそうさせているのだと言う人がいます。
児童虐待を繰り返してしまう親がいます。子供が言うことを聞かなかったり、子供が泣
き止まなかったりすると感情が高ぶり、つい手が出てしまうというのです。
専門家たちは、虐待行為を育児に対するストレスや過去の親自身の虐待の経験、親の精
神的未熟さなど、心の問題を取り上げその理由に充てています。

援助交際を繰り返している女子高生がいます。性に関して厳しいしつけを受けた女の子
に限って、グレると性非行に走るというのです。どうすれば自分の親が傷つくのか無意
識のうちにわかっているというのだからすごいですよね!
ここですごいというのは、そんな戯言をいえることがすごい!という意味です。

はてさて困ったものです。今、我々が人間の行動を理解しようとした際に思いつく理由が、人間の行動の説明に全くなっていないのです。
人は意思が弱いから決めたことが出来ないのではありません。性格が人の行動を決める
ことはありません。心といった内的な力が人を支配することはありません。

昔々、医学は人の病気を迷信的なもので捉え、怪しい祈祷師の「お祓い」によって治療
が行われていました。人間を理解しようとする心理学においても、同じことが言えま
す。
人の行動を得体の知れない内面的なもので捉え、その行動を改善しようと無駄な時間と
労力が使われているのが現状です。ご苦労なことです。
もし、あなたが病気にかかれば、誰に診てもらいますか? 今の時代、誰も祈祷師にお
祓いを頼んで病気を治そうとはしませんよね。科学的医療を行う、医師免許を持ったお
医者さんに診てもらうはずです。
心理学はまだ医学でいう鎌倉時代をさまよっていると言えます。人間について理解しよ
うとする際に、今はまだお祓いをしている段階です。勝手な推測や思い込みで人を見て
いるのです。今のままお祓いを続けているようでは、いつまでたっても人の行動を理解
することはできません。

今、我々が人間の行動を説明する際に用いている動機や、性格、感情など、それらはい
たって人間の行動の説明になっていないものです。我々が用いているその動機や性格、
感情は、人が行動を起こした際のその人の状態、状況を表しているだけで行動の原因に
はなっていないのです。

ある少年が他の少年に罵倒され、殴りかかったとします。そこで、少年はなぜ殴ったの
かととがめられます。そこで少年は「腹が立ったから」と答えます。周りもそれで納得す
るかもしれません。
しかし、これはおかしいのです。自分を罵倒されれば腹が立つのは誰でも同じです。な
らば腹が立つと人は誰でも殴りかかるのか?といえば?
そんなことだと世の中、顔中アザだらけの人間ばかりになるはずです。
腹が立ったというのは、そのときの少年の気持ちを述べているだけで、少年が他の少年
を殴った理由にはならないのです。少年が人を殴る理由はもっと他にあるのです。

我々は、人の行動を理解するときに、その行動を起こす直前のその人の状況を行動の原
因とみなしています。「腹が立ったから」、「お金が欲しかったから」。
しかし、それは全くの見当はずれ。それは、その人の状況の説明であって、行動の説明
ではありません。
ここを間違えているために、人は周りを含めて自分の行動が理解できないのです。ここ
を間違えているために、同じ過ちを繰り返してしまうのです。ここを間違えているため
に多くの社会問題が山済みになっているのです。


まとめ
人は意思が弱いから決めたことが出来ないのではありません。性格が人の行動を決める
ことはありません。心といった内的な力が人を支配することはありません。
我々が用いているその動機や性格、感情は、人が行動を起こした際のその人の状態、状
況を表しているだけで行動の原因にはなっていないのです。





14年前の「発行管理者:かずひさ」氏のメルマガ「やる気が出ない本当の理由」
からの引用です。

やる気が出ない本当の理由。

やる気が出ない本当の理由。
保険営業の苦悩から行動分析へ。

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人間とは意志の弱い生き物である。受験勉強にしてもダイエットにしても、禁煙でも自らを自制して計画通り達成できることはまれであろう。生命保険の営業経験があるといかに生活をかけてやる気があろうともどうにもならないことがある。自分で自分がコントロールできないもどかしさ。自分を変える方法を必死で模索した日々に出会った光明が紹介するメルマガである。

なぜ人間は決めたことがきちんとできないのか。それらのしなければならない行動をなぜしないのか、それらのすべきでない行動をなぜするのか。この答えを求めて思索を続けてきた。

それを明快にしかも論理的かつ科学的に説明してくれたメルマガがあった。もう14年ぐらいも前であろうか,
まぐまぐから不定期ながら50号くらいまで行ったが、残念なことに最後は息切れの立ち消えとなった。

「発行管理者:かずひさ」とだけあり、それ以外の情報は検索でも見つけることはかなわなかった。

そのメルマガの根底にある科学は「行動分析」であることを発見しそれ以後数々の関係書を読み漁りその考え方をベースに人間の行動を見るようになった。

参考図書:
メリットの法則-行動分析学・実践編 奥田健次著(集英社新書)
行動分析学入門-人の行動の思いがけない理由 杉山尚子著(集英社新書)
人は、なぜ約束の時間に遅れるのか-素朴な疑問から考える「行動の原因」 島宗 理(光文社新書)
行動分析学入門 杉山尚子、島宗 理、佐藤方哉、リチャード・W・マロット、マリア・E・マロット著(産業図書)

そのメルマガの内容は埋もれさせるのはあまりにも惜しく、公開できるチャンスを待っていたのである。

よってこのブログは「やる気が出ない本当の理由」というメルマガをベースにして自分自身の気づきと応用行動分析のつたない知識を織り交ぜて発信していくこととする。ネタに限りがあるので終わりが来ると思うが、それまでは乞うご期待である。
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